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遮音構造マンション Musision による 土地有効活用事業

㈱リブラン

企画・開発部門

周りに気兼ねすることなく、楽器を弾いたり、大音量で音楽を聴きたい人にターゲットを絞った賃貸マンション。500Hz の中音域で 65dB の音を低減する性能を備えている。周辺相場から3割以上高い賃料で高稼働率を維持するなど、その性能と価値が家賃に反映された初めてのケースとして高く評価できる。1階のコンサートホールを利用したイベント開催など地域交流も行われている。

事業コンセプト

以前から、古くなった賃貸住宅の空室増加や家賃の値下げによる収支悪化の解決策として、時間の経過にも影響されない「価値」を創り出すために長年、商品企画に取り組んできた結果「本当の価値」のひとつといえる遮音構造マンションMusision(ミュージション)を利用した土地有効活用事業を開発した。
Musision は単なる楽器可マンションと異なり、500Hz の中音域で65dB の音を低減する性能(65dB/500Hz)と住宅本来の基本性能(居住性や通気性等)を兼ね備えた商品として音楽を愛する人々に認知され、周辺賃貸相場の3割以上の賃料を維持しながら築12 年以上も平均稼働率90%以上の需要を得てきている。このMusision を使うことで、長期間の投資となる土地活用のリスク(空室や家賃低下)を回避出来る可能性を示すものである。
技術的にはコンサートホール建設の際に使われる遮音のための技術と工夫を網羅してハードを丁寧に造り上げると共に、マーケットに対してはそのハードの具体的使用イメージや価値を伝道するプロモーション、営業、管理が一体となったスキームを創り上げた。

商品企画

全ての要素が「音楽を楽しむため」という方向で構成。ピアノの平均音圧レベル95dBを隣室では30dBにまで低減できる65dB/500Hzを遮音目標値として位置付け、施工及び改善、創意工夫により安定した性能を発揮させることがポイントである。デザインは重要だが、奇抜なものではなく音楽の感性を低減させないデザインとするため、建築家を極力採用した。グランドピアノは通常のクレーン搬入は行わなず、入居コストの削減と安全性の確保を両立させ、エントランスからエレベータを使って搬入出来る導線を確保。専有部はピアノ設置を念頭にベッドやダイニングセットがレイアウト可能でありながらも、ミニマムなユニット割にするのが賃料効率を上昇させる鍵となる。

事業成果

音楽に基軸のある方のみを対象に、賃料相場より3割高い家賃で、2現場連続で客付け完了している。入居者の言葉からは、近年の消費者ニーズである「心の充足」や「自己実現欲求」に根ざす商品としてMusisionは適合すると感じている。これまでにも「躯体が厚いだけ」や「皆の音が聞こえるけどお互い様だから」の楽器可マンションは存在したが、価値が家賃に反映されたうえでシリーズとして認知されているものはほとんど存在していない。二つ目は、目標値は65dB/500Hzだが実際はD-70(JIS規格である63Hzから4000Hzの音域帯全てで70dB遮音)以上を達成していることが挙げられる。音という目に見えないものを対象としながらのこの結果は、施工ノウハウとそれに基づいた施工精度が成熟の領域に到達しつつあることを感じさせる。三つ目は、これらのMusisionの実績によって、昨年、新規の有効活用案件を獲得し、リブランの新たな収益事業の柱として期待できる。

物件概要

事業主名 株式会社リブラン
現場住所 東京都中野区大和町2-6-7
協力会社 澤村昌彦建築設計事務所
工事竣工 平成22年3月1日

規模概要

敷地面積 296.58m²
延床面積 724.78m²
構造規模 RC 地上 6 階
住戸総数 11 戸

中高層分譲住宅部門

不動産関連事業部門

企画・開発部門