2016年の全国マンション発売は3年連続減の7.6万戸
~不動産経済研、今年は2.0%増の約7.8万戸を予測

 不動産経済研究所がまとめた2016年年間の「全国マンション市場動向」によると、昨年1年間に全国主要都市で発売された民間による新築分譲マンション(発売戸数ベース。定期借地権マンションなどは含まない)は前年比1.4%減の7万6993戸と減少した。価格上昇の影響などによって3年連続で減少し、2年連続で発売が7万戸台となった。また、マンションの発売総額は約3兆5111億円で、前年比953億円、2.6%の減額となった。



《新築分譲マンション市場動向の概要》

<圏域別の発売状況>

◇首都圏=3万5772戸(前年比11.6%減、全国シェア46.5%)

◇近畿圏=1万8676戸(同1.3%減、同24.3%)

◇東海・中京圏=4872戸(同2.6%減、同6.3%)

◇北海道=1217戸(同6.9%増、同1.6%)

◇東北地区=2082戸(同65.2%増、同2.7%)

◇関東地区=1188戸(同7.6%増、同1.5%)

◇北陸・山陰地区=351戸(同22.0%減、同0.5%)

◇中国地区=3211戸(同64.2%増、同4.2%)

◇四国地区=1145戸(同56.2%増、同1.5%)

◇九州地区=8479戸(同19.9%増、同11.0%)

と、北海道、東北地区、関東地区、中国地区、四国地区、九州地区が増加したが北陸・山陰地区は減少し、首都圏、近畿圏、東海・中京圏の三大都市圏も落ち込んだ。



[主要都県・中核都市の発売内訳]

首都圏は、

◇東京都=1万8833戸(前年比21.2%減)

◇神奈川県=8774戸(同10.2%増)

◇埼玉県=3897戸(同11.7%減)

◇千葉県=4268戸(同2.3%増) で、東京都と埼玉県以外のエリアは増加。



近畿圏は、

◇大阪府=1万1621戸(同7.3%増)

◇兵庫県=4140戸(同20.3%減)

◇京都府=1893戸(同18.3%減)

◇奈良県=425戸(同64.7%増)

◇滋賀県=379戸(同100.5%増)

◇和歌山県=218戸(同60.3%増) で、兵庫県と京都府が減少。



地方中核都市では、

◇札幌市=1088戸(同5.3%増)

◇仙台市=1361戸(同79.8%増)

◇名古屋市=2600戸(同6.0%減)

◇広島市=1735戸(同129.8%増)

◇福岡市=3602戸(同27.8%増) と名古屋市は減少したが、その他の都市は軒並み戸数を伸ばした。



<マンション分譲価格の動向>

◇全国の戸当たり平均価格=4560万円(前年比58万円、1.3%下落)

◇全国の平均平米単価=65.5万円(同0.1万円、0.2%上昇)

戸当たり平均価格は4年ぶりの下落、平米単価は4年連続の上昇となり、平米単価は1991年(66.7万円)以来25年ぶりの高値となった。



〈圏域別の価格動向〉

[首都圏]

◇戸当たり平均価格=5490万円(前年比28万円、0.5%下落)

◇平均平米単価=79.3万円(同1.4万円、1.8%上昇) で、戸当たり平均価格が4年ぶりにダウン



[近畿圏]

◇戸当たり平均価格=3919万円(同131万円、3.5%上昇)

◇平均平米単価=61.6万円(同3.4万円、5.8%上昇) で、戸当たり平均価格・平米単価ともアップ



[地方主要都市の平均価格]

◇札幌市=3913万円(同419万円、9.7%下落)

◇仙台市=4331万円(同151万円、3.6%上昇)

◇名古屋市=4031万円(同85万円、2.2%上昇)

◇広島市=4212万円(同85万円、2.0%下落)

◇福岡市=3657万円(同415万円、12.8%上昇) で、仙台市、名古屋市、福岡市が上昇している。



<事業主別発売戸数ランキング>

◇1位=住友不動産6034戸(前年1位)、前年(5398戸)より増加し3年連続で全国トップ

◇2位=三井不動産レジデンシャル4320戸(同3位)

◇3位=野村不動産4056戸(同2位)

◇4位=プレサンスコーポレーション3225戸(同6位)

◇5位=三菱地所レジデンス3215戸(同4位) と続く。



 年間2000戸以上の発売は6社(前年6社)で前年と同数だった。上位20社の発売戸数は3万9497戸(前年比992戸減)で、全国シェアは51.3%(同0.5P減)。上位20社のうち、戸数を伸ばしているのは首位の住友不動産が636戸増など12社だった。また、13位の京阪電鉄不動産、19位の新日本建設が初めてトップ20入りをしたほか、名鉄不動産、阪急不動産、穴吹工務店、明和地所がトップ20へ返り咲きをしている。



 当協会会員では、6位=大和ハウス工業2185戸(前年5位)、10位=タカラレーベン1204戸(同10位)、19位=新日本建設936戸(初)、20位=フージャースコーポレーション911戸(同16位)と健闘している。



<2017年の発売見込み>

◇全国=約7.85万戸(前年比約1500戸、2.0%増)の見込み



[圏域別]

◇首都圏=3.8万戸(同6.2%増)

◇近畿圏=1.9万戸(同1.7%増)

◇東海・中京圏=0.5万戸(同2.6%増)

◇中国地区=0.25万戸(同22.1%減)

◇九州地区=0.8万戸(同5.6%減)

で、首都圏など三大都市圏が増加に転じると見込んでいる。



(株)不動産経済研究所

 http://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/275/z2016.pdf



【問合先】企画調査部 03-3225-5301

コメントは受け付けていません。