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発売戸数は首都圏が前年比82.2%減、近畿圏84.6%減~不動産経済研究所、5月の新築マンション市場動向

 不動産経済研究所がまとめた2020年5月の「首都圏・近畿圏の新築マンション市場動向」によると、首都圏(1都3県・5エリア=東京都[東京23区、東京都下]、神奈川県、埼玉県、千葉県)の発売戸数は前年同月(2206戸)比82.2%減の393戸と激減、686戸だった前月との比較でも42.7%減と、さらに落ち込み、1か月の発売の過去最少を再び更新している。発売戸数はわずか32物件で、前年同月の171物件を139物件、81.3%減となった。そのうち、初回売出し物件(単発物件[期分けをしないで全戸売り出した物件]を含む)は7物件・226戸で、シェア57.5%と、前年同月の23物件・786戸、シェア35.6%を物件数で16物件、戸数でも560戸下回っている。また、発売戸数に対する契約戸数は284戸で、初月契約率は72.3%。前年同月比12.3ポイント(P)アップして3か月連続で70%上回った。

【首都圏、発売戸数】393戸(前年同月比82.2%減)。エリア別にみると、東京23区235戸(同69.9%減)、東京都下35戸(同89.8%減)、神奈川県79戸(同83.4%減)、埼玉県24戸(同91.3%減)、千葉県20戸(同93.9%減)。全エリアが大幅に減少し、中でも埼玉県と千葉県が9割以上落ち込んでいる。東京23区のシェアは59.8%と、ほぼ6割を占めている。

[同、契約率・価格]◇初月契約率は72.3%(前年同月比12.3P増)。3か月連続で70%を上回った。エリア別にみると、東京23区74.5%、東京都下57.1%、神奈川県72.2%、埼玉県58.3%、千葉県90.0%。千葉県が9割を突破したほか、東京23区と神奈川県も70%を上回っている。◇1戸当たりの平均価格は6485万円(前年同月比6.4%上昇)、m2単価は108.4万円(同21.3%上昇)。平均価格は2か月連続、m2単価は5か月連続の上昇。エリア別では東京都下、神奈川県、埼玉県、千葉県が平均価格、m2単価共に下落した一方、東京23区のm2単価は16.9%上昇している。

[同、専有面積・即日完売戸数など]◇専有面積は59.84m2(前年同月比12.2%縮小)。専有面積が100m2以上の住戸は、東京23区1物件・2戸のみで、シェアは0.5%だった。◇即日完売物件はゼロ。◇フラット35登録物件戸数は298戸(シェア75.8%)。◇販売在庫は5月末時点で7773戸。前月末比22戸の減少。前年同月末比では118戸の増加となった。

[同、6月の発売予測]前年同月(2259戸)を大幅に下回る1000戸前後の見込み。2020年上半期(1~6月)の累計は7000戸程度となる予測。

【近畿圏、発売戸数】近畿圏(2府4県・9エリア=大阪府[大阪市部、大阪府下]、兵庫県[神戸市部、兵庫県下]、京都府[京都市部、京都府下]、滋賀県、奈良県、和歌山県)の発売戸数は214戸(前年同月比84.6%減)。1991年8月(176戸)以来の低水準、5月としては調査開始以来で最低水準となった。緊急事態宣言解除までは6割超のモデルルームが休業したため。エリア別にみると、大阪市部28戸(同96.3%減)、大阪府下87戸(同69.0%減)、神戸市部4戸(同96.4%減)、兵庫県下40戸(同69.2%減)、京都市部1戸(同98.4%減)、京都府下0戸(前年同月0戸)、奈良県5戸(前年同月比66.7%増)、滋賀県45戸(同6.3%減)、和歌山県4戸(同33.3%増)。

[同、契約率・価格など]◇初月契約率は50.0%(前年同月比17.7P減)。1992年3月(35.8%)以来の低水準となった。◇1戸当たりの平均価格は4286万円(前年同月比3.2%上昇)。m2単価は61.6万円(同4.2%下落)。平均価格は3か月連続のアップ、m2単価は2か月連続のダウン。◇販売在庫は5月末時点で2644戸。前月末比53戸の減少、前年同月末比では378戸の増加となった。

[同、6月の発売予測]前年同月(1500戸)を大幅に下回る1000戸程度を予測。

〔URL〕https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion
【問合先】企画調査部 03-3225-5301