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令和4年度国土交通省税制改正要望事項

国土交通省は、「令和4年度国土交通省税制改正要望事項」を明らかにした。住宅・土地税制関連の主な内容は、以下のとおりである。

[社会経済活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大]
(感染症の影響からの経済回復に向けた躊躇なく機動的な対応)

1.住宅ローン減税等の住宅取得促進策に係る所要の措置(所得税・贈与税等)
【要望】
住宅投資の波及効果にかんがみ、今般の経済対策(令和2年12月8日閣議決定)を含むこれまでの措置の実施状況や今般の新型コロナウイルス感染症拡大及びまん延防止のための措置等による影響を含めた今後の経済情勢等を踏まえ、2050年カーボンニュートラルの実現等を図る観点も含め、必要な検討を行い、所要の措置を講じる。

2.土地に係る固定資産税における所要の措置(固定資産税・都市計画税)
【要望】
土地に係る固定資産税について、社会経済情勢、地価動向等を踏まえ、必要な検討を行い、所要の措置を講じる。

(グリーン社会の実現、DXの加速)
省エネ性能に優れた住宅の普及促進に係る特例措置の延長等(所得税・登録免許税・不動産取得税・固定資産税・個人住民税)
【特例措置の内容】
〇認定長期優良住宅に係る特例措置
[登録免許税]
税率を一般住宅特例より引下げ
・所有権保存登記:一般住宅特例0.15%→0.1%
・所有権移転登記:一般住宅特例0.3%→マンション:0.1% 戸 建 て:0.2%
[不動産取得税]
課税標準からの控除額を一般住宅特例より増額
一般住宅特例1,200万円→1,300万円
[固定資産税]
一般住宅特例(1/2減額)の適用期間を延長
・戸 建 て:3年→5年
・マンション:5年→7年
〇認定低炭素住宅に係る特例措置
[登録免許税]
税率を一般住宅特例より引下げ
・所有権保存登記:一般住宅特例0.15%→0.1%
・所有権移転登記:一般住宅特例0.3%→0.1%
【要望】
省エネ性能等に優れた住宅の普及を促進するため、住宅ローン減税等の所得税等に係る特例措置のほか、上記の現行の措置を2年間(令和4年4月1日~令和6年3月31日)延長する。

(不動産市場の活性化・土地の有効活用の促進)
1.所有者不明土地の発生抑制のためにランドバンクが取得する土地等に係る特例措置の創設(登録免許税・不動産取得税)
【特例措置の内容】
・ランドバンクが土地・建物を購入する際の流通税の軽減
[不動産取得税]課税標準の1/5を軽減
・土地取得者がランドバンクより土地を購入する際の流通税の軽減
[登録免許税]所有権移転登記:2%→1%
【要望】
・低未利用土地の利活用を促進するため、ランドバンクが一時的に取得する、管理不全等により流通に課題がある土地・建物について、上記の特例を創設。(関連する法改正を検討中)
・要望期間:3年間(令和4年4月1日~令和7年3月31日)

2.所有者不明土地法に基づく地域福利増進事業に係る特例措置の拡充(所得税・法人税・個人住民税・法人住民税・固定資産税・都市計画税)
【特例措置の内容】
[所得税・法人税・個人住民税・法人住民税]
一定の事業のために土地等を譲渡した場合、長期譲渡所得(2,000万円以下の部分)に係る税率を軽減する(~令和4年12月31日)。
[固定資産税・都市計画税]
地域福利増進事業の用に供する土地及び償却資産について、課税標準を5年間2/3に軽減する(~令和5年3月31日)。
【要望】
地域福利増進事業の対象事業の追加に伴い、特例措置の対象事業を拡充する。(関連する法改正を検討中)
※地域福利増進事業に新たに追加する事業のイメージ
・地産地消に資する再生可能エネルギーに関する事業
・備蓄倉庫等の防災上有効な設備の整備に関する事業 等

3.工事請負契約書及び不動産譲渡契約書に係る印紙税の特例措置の延長(印紙税)
【特例措置の内容】
工事請負契約書及び不動産譲渡契約書に係る印紙税について、下表の「現行の特例措置」のとおり軽減。
【要望】
現行の措置を2年間(令和4年4月1日~令和6年3月31日)延長する。

[豊かな暮らしの実現と地域の活性化]
(住まいの質の向上・無理のない負担での住宅の確保)
1.新築住宅に係る税額の減額措置の延長(固定資産税)
【特例措置の内容】
[固定資産税]
新築住宅に係る税額の減額措置
(1)戸 建 て:3年間 税額1/2減額
(2)マンション:5年間 税額1/2減額
【要望】
現行の措置を2年間(令和4年4月1日~令和6年3月31日)延長する。

2.住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置の延長(登録免許税)
【特例措置の内容】
[登録免許税]
・所有権の保存登記について税率軽減(本則 4/1000→特例 1.5/1000)
・所有権の移転登記について税率軽減(本則 20/1000→特例 3/1000)
・抵当権の設定登記について税率軽減(本則 4/1000→特例 1/1000)
【要望】
現行の措置を2年間(令和4年4月1日~令和6年3月31日)延長する。

3.居住用財産の買換え等に係る特例措置の延長(所得税・個人住民税)
【特例措置の内容】
※いずれも所得税・個人住民税
[譲渡益が生じた場合]
(1)住宅の住替え(買換え)で、譲渡による収入金額が買換資産の所得額以下の場合は、譲渡がなかったものとして、譲渡による収入金額が買換資産の取得額以上の場合は、その差額分について譲渡があったものとして課税
[譲渡損が生じた場合]
(2)住宅の住替え(買換え)で、譲渡損失が生じた場合であって、譲渡資産に係る住宅ローン残高がある場合は、譲渡損失額
を所得金額の計算上控除(以降3年間繰越控除)
(3)住宅を譲渡した際に譲渡損失が生じた場合であって、買換資産に係る住宅ローン残高が残る場合は、住宅ローン残高から譲渡額を控除した額を限度に、所得金額の計算上控除(以降3年間繰越控除)
【要望】
現行の措置を2年間(令和4年1月1日~令和5年12月31日)延長する。

4.買取再販で扱われる住宅の取得に係る特例措置の延長(登録免許税)
【特例措置の内容】
宅地建物取引業者により一定の質の向上を図るための改修工事が行われた既存住宅を取得する場合に、買主に課される登録免許税の税率を一般住宅特例より引下げ。
【要望】
現行の措置を2年間(令和4年4月1日~令和6年3月31日)延長する。

5.既存の住宅耐震・バリアフリー・省エネ・3世代同居・長期優良住宅化リフォームに係る特例措置の拡充・延長(所得税)
【特例措置の内容】
【要望】
(1)現行の措置を2年間(令和4年1月1日~令和5年12月31日)延長する
(2)省エネリフォームの工事要件のうち、「全居室の全窓の断熱改修工事」を「窓の断熱改修工事」に緩和する

6.既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化リフォームに係る特例措置の拡充・延長(固定資産税)
【特例措置の内容】
工事翌年度(※1)の固定資産税の一定割合を減額
※1 特に重要な避難路として自治体が指定する道路の沿道にある住宅について、耐震改修をした場合は2年間1/2減額、耐震改修をして認定長期優良住宅に該当することとなった場合は翌年度2/3減額、翌々年度1/2減額。
※2 耐震改修又は省エネ改修を行った住宅が認定長期優良住宅に該当することとなった場合。
【要望】
(1)現行の措置を2年間(令和4年4月1日~令和6年3月31日)延長する
(2)省エネ化リフォームの築年数要件を見直す
[現 行]平成20年1月1日以前から所在
[見直し]新築から10年以上経過 ※バリアフリー化と同じ要件

●国土交通省ホームページ
[URL]https://www.mlit.go.jp/page/content/001420200.pdf