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発売は首都圏3.3万戸・近畿圏1.8万戸、前年比共に増~不動産経済研、2021年と12月の新築分譲マンション市場

 不動産経済研究所がまとめた2021年年間(1~12月)と2021年12月の「首都圏・近畿圏の新築分譲マンション市場動向」によると、首都圏(1都3県)の2021年年間の発売総戸数は3万3636戸で、前年の2万7228戸に比べ6408戸、23.5%の増加となった。2年ぶりの3万戸台となり、2019年の3万1238戸を上回った。売行き面では、初月契約戸数の合計が2万4648戸で月間契約率の平均は73.3%。前年(66.0%)比では7.3ポイント(P)アップし、2015年以来6年ぶりの70%台となった。エリア別では東京23区、東京都下、神奈川県、埼玉県が70%台、千葉県は80.3%と80%台に乗せ、全てのエリアが好調な売行きを示した。累積の契約戸数は2万9617戸で累積契約率は88.1%となり、前年(78.5%)を9.6P上回っている。また、億ションの発売は2760戸で、前年(1818戸)に比べ942戸、51.8%の増加。最高額は「パークコート神宮北参道 ザ タワー」(東京都渋谷区)の13億7000万円だった。2021年12月のマンション発売戸数は前年同月比9.7%減の6649戸で、2か月ぶりのダウンとなった。初月契約率は73.5%で同10.9Pアップしている。
 近畿圏(2府4県)の2021年年間の発売総戸数は前年比24.7%増の1万8951戸となり、コロナ前の水準を回復した。初月の月間契約率の平均は同1.9Pダウンの69.8%。12年ぶりに好調ラインの70%を下回っている。また、2021年12月のマンション発売戸数は前年同月比9.4%減の2812戸となり、3か月ぶりに前年実績を下回った。初月契約率は同6.5Pダウンの73.5%と、5か月ぶりに好調ラインの70%を上回った。

◆首都圏【2021年年間の市場】
[エリア別の発売状況]◇東京23区1万3290戸(前年比21.8%増、シェア39.5%)◇東京都下2921戸(同9.9%減、同8.7%)◇神奈川県8609戸(同54.1%増、同25.6%)◇埼玉県4451戸(同32.2%増、同13.2%)◇千葉県4365戸(同5.9%増、同13.0%)―減少したのは東京都下のみで、東京23区、神奈川県、埼玉県は2桁増と大きく伸ばした。東京23区のシェアは前年の40.1%と比べると0.6Pダウン。また、東京都全域では前年比14.5%増の1万6211戸となり、シェアは48.2%だった。

[価格動向]◇戸当たり平均価格6260万円(前年比2.9%上昇)―3年連続のアップ。1990年(6123万円)を上回って最高値を更新した。◇m2単価93.6万円(同1.2%上昇)―9年連続のアップ。1990年(93.4万円)を上回って最高値を更新。エリア別では東京23区と埼玉県が平均価格、m2単価共に上昇している。

[平均専有面積]66.86m2(前年比1.7%拡大)。

[販売在庫の状況]2021年末時点の販売在庫は6848戸で、前年末比2057戸の減少。年末時点の在庫が減少したのは3年連続。

[即日完売物件]1347戸(シェア4.0%)。

[フラット35登録物件]3万917戸(シェア91.9%)。

[2022年の発売予測]神奈川県以外のエリアが増加、首都圏全体では前年比1.1%増の3万4000戸前後となる見込み。

【2021年12月の市場】
[エリア別の発売状況]◇東京23区1561戸(前年同月比30.1%減)◇東京都下817戸(同30.6%減)◇神奈川県1410戸(同3.7%増)◇埼玉県1478戸(同31.3%増)◇千葉県1383戸(同5.6%減)―神奈川県と埼玉県が増加するも、千葉県は微減、東京23区と東京都下は3割減と落ちこんだ。

[エリア別の契約率]◇東京23区66.7%(前年同月比1.5P減)◇東京都下83.1%(同46.1P増)◇神奈川県69.6%(同3.3P増)◇埼玉県70.4%(同19.9P増)◇千葉県82.8%(同2.3P増)。

[価格動向]◇戸当たり平均価格5384万円(前年同月比4.2%下落) ―東京23区と埼玉県が上昇、東京都下、神奈川県、千葉県は下落している。◇m2単価80.6万円(同3.7%下落)。

[平均専有面積]66.80m2(前年同月比0.6%縮小)。

[即日完売物件]1物件・3戸(シェア0.05%)。

[フラット35登録物件]5855戸(シェア88.1%)。

[販売在庫の状況]2021年12月末時点の販売在庫は6848戸で、前月末比1151戸の増加。

[2022年1月の発売予測]1500戸程度となる見込み。

◆近畿圏【2021年年間の市場】
[エリア別の発売状況]◇大阪市部6525戸(前年比10.3%増)◇大阪府下3901戸(同22.9%増)◇神戸市部2442戸(同70.1%増)◇兵庫県下2809戸(同42.8%増)◇京都市部1528戸(同47.2%増)◇京都府下581戸(同67.9%増)◇奈良県208戸(同60.3%減)◇滋賀県848戸(同39.7%増)◇和歌山県109戸(同42.3%減)。

[価格動向]◇戸当たり平均価格4562万円(前年比9.1%上昇)―4年連続のアップ。1991年(5552万円)以来の高値。◇m2単価75.1万円(同8.7%上昇)―9年連続のアップ。1973年の調査開始以来の最高値。

[平均専有面積]60.70m2(前年比0.4%拡大)。

[販売在庫の状況]2021年12月末現在の販売在庫は前年末比22.4%増の4400戸。このうち建物竣工済みの完成在庫は同7.3%増の1363戸。

[2022年の発売予測]前年比2.4%減の1万8500戸程度となる見込み。

【2021年12月の市場】
[エリア別の発売状況]◇大阪市部714戸(前年同月比24.7%減)◇大阪府下450戸(同16.6%増)◇神戸市部252戸(同11.6%減)◇兵庫県下541戸(同22.8%減)◇京都市部362戸(同6.5%増)◇京都府下92戸(同52.1%減)◇奈良県112戸(同6.7%減)◇滋賀県247戸(同225.0%増)◇和歌山県42戸(同26.3%減)。

[価格動向]◇戸当たり平均価格4274万円(前年同月比9.2%上昇)―2か月連続のアップ。◇m2単価71.1万円(同6.9%上昇)―2か月連続のアップ。

[平均専有面積]60.09m2(前年同月比2.1%拡大)。

[販売在庫の状況]2021年12月末時点の販売在庫は4400戸で、前月末比336戸の増加、前年同月末比805戸の増加。在庫は2010年4月(4579戸)以来の高水準であるものの、完成在庫は前月末比126戸増の1363戸にとどまっており、竣工を迎えた物件の売行きは依然堅調といえる。

[2022年1月の発売予測]700戸程度となる見込み。

〔URL〕https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion
【問合先】企画調査部03―3225―5301