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第51回全国大会を福岡で開催 -全国から約600人が集結-

 当協会は、去る11月10日に福岡市のホテルオークラ福岡にて第51回全国大会を開催した。この大会は、当協会に加盟する全国17団体の会員と企業会員、賛助会員などが一堂に会し、税制改正要望の実現や住宅金融支援機構融資制度の改善などを目指し開催している。今回の大会は、九州住宅産業協会(以下「九住協」)が幹事協会となり全国大会のほか、記念講演、懇親会、懇親ゴルフ大会、エクスカーション(観光旅行)などを行った。
 当日は、馬場会長、開催地協会である九住協橋本理事長の挨拶の後、吉田国土交通省不動産・建設経済局次長、生嶋福岡県副知事、髙島福岡市長、毛利住宅金融支援機構理事長等から祝辞をいただいた。(馬場会長、橋本理事長の挨拶(抜粋)は下記に掲載。)
 次いで、花沢副会長が最近の住宅・不動産業界の諸課題を踏まえて政策提言を行い、これを受けて大会スローガン(後掲)を盛り込んだ大会決議を九住協原田副理事長が読み上げ満場一致で採択した。
 また、引き続き、叙勲・褒章等表彰受章者に対する記念品贈呈が行われた。

[馬場会長挨拶(抜粋)]
 全国大会は3年ぶりの開催となりました。このように全国から会員の皆様にお集まりいただき、また、ご多忙の中、多数のご来賓に臨席賜り厚くお礼申し上げます。これまでの間、新規感染者数の推移を横目にして本当に開催までこぎつけられるかどうかギリギリの判断を何度も迫られてこられました、地元九州住宅産業協会の皆様のこれまでのご尽力に対しまして深く感謝いたします。
 さて、今世紀になって発生したスマトラ沖地震や東日本大震災はいずれもマグニチュード9.0を記録するなど、今正に地球は活動期に入っております。また、地球温暖化の結果、異常気象による想定外の災害が世界中の至る所で、しかも頻繁に発生しています。防災・減災は自助努力が大原則であるとはいえ、実際にできることには限界があり、やはり立地の適正化に主眼を置いた強靭な街づくりを国レベルで大胆に誘導する取組みが求められております。また、ウイルス感染拡大の根源とされた三密ですとか、大都市圏への一極集中がもたらす弊害を招かないためには、常に適正な空間の確保が不可欠です。立地の適正化と空間の確保、この2つが結果防災につながる究極のテーマかと思います。脱炭素社会の実現に向けても、化石燃料から太陽光や風力といったグリーンエネルギーに転換するということはもとより、新しい街づくりに向けて、都市のグリッドを細分化した地産地消型のコンパクトなエリアを想定して、その地域の特性に合った多様で複層的な送発電システムを作り上げることが有効です。
 今、ロシア、中国、北朝鮮など、我が国を取り巻く地政学リスクが高まっていることもあり、製造業を国内に回帰させることが日本経済復活への起爆剤になるとの見方があります。老朽化が進む都市構造から脱皮して人口、資本、機能の分散を念頭に国土を広く効率的に利用する。日本経済が長く続く閉塞感から抜け出すためにも、コロナ禍の復興を機に新たな創造に向けて叡智を結集していただきたいと思っております。
 防災、環境負荷の低い街づくり、そして地方創生など、我々の事業はこうした社会の強い要請に応える必要があります。業界を取り巻く環境は楽観を許さない状況にありますが、住宅産業は国民の住生活の安定と経済成長を下支えする大きな柱であり、暮らしの安全が確保され、活気ある社会を創り上げていく上で大きな貢献をすることが期待されております。会員各位におかれましては、住宅産業のさらなる発展を目指して引き続きご尽力をお願いするとともに、ご来賓の皆様方におかれましては、これまで以上にご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

[九住協 橋本理事長挨拶(抜粋)]
 皆さんようこそ、福岡にお越しいただきました。この福岡での全国大会の開催は10年ぶりでございます。北は北海道から南は沖縄まで17の協会の会員の皆様にお集まりいただき、またご多忙の中、多数のご来賓ご参加いただいております。ありがとうございます。
 この福岡はアジアの主要都市とも大変近く、また、空港から中心部の博多・天神までの交通のアクセスも良く、正しく今アジアの玄関口と呼ぶのに相応しい都市になってきております。街中を見れば、天神ビックバン、博多コネクティッドを始め再開発が進んでおります。古いビルを規制緩和によって付加価値の高い新しいビルに建て替えるというものでございます。このほかにも箱崎の九大キャンパス跡地の再開発であるとか、ウォーターフロント開発であるとか、正しく活況を呈しております。我々も分譲マンションをたくさん供給させていただいております。福岡独自の規制緩和によって民間の活力を引き出して、それを成長モデルにしていくという仕組みは、全国の皆さんに大変参考にしていただけるのではないかなと思っております。
 民間調査会社の住みたい街全国自治体ランキングで、3年間福岡は第1位になっております。都市機能の充実もさることながら、自然にも大変恵まれまして、美味しい食べ物もあって、そのあたりのことが評価されてのことではないかと思いますが、全国からお見えになっている皆様方には、この機会に是非ともこの元気な街、福岡をお楽しみいただければと思っております。
 本日は式典に続き記念講演会として、建築家でもあり、九州大学大学院の准教授でもある末光先生にご講演をいただきます。先生は天神ビッグバン第1号の天神ビジネスセンターにも関与されております。テーマは「サステナブルな時代の新しい建築デザイン」で、皆さんにもご参考になるのではないかなと思っております。
 私共住宅・不動産業界は、内需主導の経済成長の発展のために果たすべき役割は非常に大きいです。官民一体となって取り組むことによって、地域の経済ひいては日本経済の発展に貢献できればと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 最後になりますが、改めまして福岡にようこそお越しいただきありがとうございました。「福来たる」という言葉がありますが、本日ご列席の会員の皆さん、またご来賓の皆様のご健勝とご多幸を祈念申し上げまして、開催地協会の挨拶とさせていただきます。本日は最後までどうぞよろしくお願い申し上げます。

[大会スローガン]
一、消費税を含めた住宅税制についての抜本的な見直し
一、フラット35融資制度の拡充、運用の一層の改善
一、マンションの大規模修繕を計画的に実施するための支援措置の創設
一、空き家の活用と除却円滑化の支援策の実施
一、不動産DX等デジタルテクノロジーの定着支援
一、住宅省エネの理解の増進と強力な支援策の実施

 大会終了後、「サステナブルな時代の新しい建築デザイン」と題して記念講演会を開催。末光弘和氏( 建築家、九州大学大学院准教授、SUEP.共同主宰)が講演を行った。その後開かれた懇親会では、全国各協会の会員、多数の来賓が参加し懇親を深めた。
 当日の参加者は、約600名。