2024年度の発売戸数は首都圏17.0%減、近畿圏0.5%減~不動産経済研、3月と2024年度の新築マンション市場
不動産経済研究所は、2025年3月及び2024年度(2024年4月~2025年3月)の「首都圏・近畿圏の新築分譲マンション市場動向」をまとめた。
【首都圏、2025年3月】
首都圏(1都3県・5エリア=東京都[東京23区、東京都下]、神奈川県、埼玉県、千葉県)の発売戸数は2210戸で、前年同月(2451戸)比9.8%減と5か月連続の減少となった。1~3月の累計は4118戸となり、前年同期の4882戸と比べ15.6%減少している。3月の発売は125物件・2210戸と、発売物件数では前年同月の139物件より14物件減少。そのうち初回売出し物件(単発物件[期分けをしないで全戸売り出した物件]を含む)は23物件・1024戸で、前年同月の32物件・1241戸と比較すると物件数は9物件、戸数は217戸下回っている。
発売戸数をエリア別にみると、東京23区1072戸(前年同月比56.0%増)、東京都下232戸(同88.6%増)、神奈川県359戸(同50.1%減)、埼玉県429戸(同14.4%増)、千葉県118戸(同78.4%減)。東京23区が5割増、東京都下が8割増、埼玉県が2桁増と伸ばした一方、神奈川県は5割減、千葉県も7割減と大幅に落ち込んだ。
新規発売に対する契約戸数は1685戸で、初月契約率は76.2%。前年同月比の72.1%を4.1ポイント(P)上回り、5か月ぶりに70%を突破した。エリア別では、東京23区85.2%、東京都下60.8%、神奈川県76.6%、埼玉県62.7%、千葉県73.7%。東京23区が80%台、神奈川県、千葉県が70%台に乗せている。
平均価格は1億485万円で、前年同月(7623万円)比2862万円(37.5%)の上昇。m2単価も158.9万円で、同(113.5万円)比45.4万円(40.0%)の上昇となった。平均価格とm2単価共に2か月連続の上昇となっている。エリア別では千葉県以外のエリアが平均価格、m2単価共に2桁の上昇となった。専有面積は66.00m2で、前年同月比1.7%の縮小。
即日完売物件は4物件・243戸(シェア11.0%)、フラット35登録物件戸数は2108戸(同95.4%)。3月末時点の在庫は6116戸で、前月末の6238戸に比べ122戸減少した。
4月の発売は1500戸前後を見込んでいる。
【首都圏、2024年度】
発売戸数は前年度(2万6785戸)比17.0%減の2万2239戸と、年度としては3年連続の減少となった。エリア別の内訳は、東京23区8272戸(前年度比25.5%減)、東京都下1993戸(同12.6%減)、神奈川県4585戸(同28.0%減)、埼玉県3425戸(同17.0%増)、千葉県3964戸(同3.5%減)。埼玉県が増加した一方、その他のエリアは減少し、東京23区、東京都下、神奈川県は2桁の落ち込みとなった。
初月契約率の平均は66.8%と、前年度(69.9%)比では3.1Pダウンし、2年連続で70%を下回った。平均価格は8135万円で、前年度の7565万円に比べ570万円、7.5%の上昇、m2単価は123.0万円で、前年度(115.1万円)比7.9万円、6.9%の上昇となった。平均価格は4年連続の上昇、m2単価は13年連続の上昇となり、共に最高値を更新している。
【近畿圏、2025年3月】
近畿圏(2府4県・9エリア=大阪府[大阪市部、大阪府下]、兵庫県[神戸市部、兵庫県下]、京都府[京都市部、京都府下]、滋賀県、奈良県、和歌山県)の発売戸数は、前年同月比9.7%増の1589戸となり、3か月連続で前年実績を上回った。
発売戸数をエリア別にみると、大阪市部280戸(前年同月比34.4%減)、大阪府下539戸(同1.1%減)、神戸市部50戸(同284.6%増)、兵庫県下381戸(同292.8%増)、京都市部292戸(同19.2%増)、京都府下4戸(同92.0%減)、奈良県11戸(同59.3%減)、滋賀県32戸(同3.0%減)、和歌山県0戸(前年同月11戸)。
初月契約率は前年同月比3.5Pダウンの78.7%と、3か月連続で好調ラインの70%を上回った。平均価格は同9.2%上昇の5500万円。
m2単価は同9.7%上昇の94.8万円。平均価格、m2単価共に3か月ぶりのアップとなった。m2単価は3月としては調査開始(1973年)以降の最高値を更新。
3月末時点の販売在庫は2597戸で、前月末比47戸減少、前年同月末比161戸減少。
4月の発売は1100戸程度となる見通し。
【近畿圏、2024年度】
発売戸数は前年度(1万5788戸)比0.5%減の1万5711戸となり、年度としては3年連続の減少となった。エリア別では、大阪市部4673戸(前年度比28.0%減)、大阪府下3710戸(同0.3%増)、神戸市部2254戸(同203.0%増)、兵庫県下2087戸(同27.5%増)、京都市部1959戸(同18.8%増)、京都府下135戸(同54.8%減)、奈良県171戸(同56.7%減)、滋賀県611戸(同20.5%減)、和歌山県111戸(同1.8%増)。神戸市部、兵庫県下、京都市部で大幅に増加した一方で大阪市部が大幅減少となった。
初月契約率の平均は前年度比1.1Pアップの74.6%と、15年連続の70%台。平均価格は同2.6%上昇の5065万円。m2単価は同7.2%上昇の89.4万円。
m2単価は12年連続の上昇となり、1973年の調査開始以降の最高値を4年連続で更新した。
〔URL〕https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/628/Dw1gfqaU.pdf (首都圏、3月)
〔URL〕https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/626/2543sd.pdf (首都圏、2024年度)
〔URL〕https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/627/Dw1gfqaK.pdf (近畿圏、3月)
〔URL〕https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/625/2543kd.pdf (近畿圏、2024年度)
【問合先】調査部 03―3225―5301