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発売戸数、首都圏は3%増、近畿圏は29%増
~不動産経済研、7月の新築マンション市場動向

 不動産経済研究所がまとめた7月の「首都圏・近畿圏新築マンション市場動向」によると、首都圏(1都3県=東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の発売戸数は3426戸で、前年同月比3.3%増となり、3か月ぶりの増加となった。初回売出し物件(単発物件(期分けをしないで全戸売り出した物件)を含む)が39物件・1789戸(シェア52.2%)と前年同月(49物件・1910戸、シェア57.6%)を物件数で10物件、戸数でも121戸下回ったが、期分け継続販売分が牽引して全体の戸数は3.3%増の3426戸となった。エリア別の発売では、東京23区が前年同月比42.3%増の1863戸と大きく伸ばしたほか、埼玉県も10.5%増と2桁増となった。その一方で東京都下、神奈川県、千葉県は減少しており、なかでも千葉県は63.7%減と落ち込みが目立った。これによって東京23区のシェアは54.4%と50%を突破、前年同月(39.5%)を14.9P上回った。また、売れ行きの勢いを示す月間契約率は71.9%で前年同月(63.3%)と比べ8.6Pアップし、2か月ぶりに好調ラインとされる70%台に乗せた。

〔首都圏・発売戸数〕
◇7月の発売戸数は3426戸で、前年同月比3.3%増となり3か月ぶりに増加。発売物件数は全193物件・3426戸のうち、初回売出し物件(単発物件を含む)は39物件・1789戸(シェア52.2%)で、前年同月の49物件・1910戸(同57.6%)から10戸(前年同月比6.3%減)減少したが、首都圏全体では3.3%増となった。エリア別に見ると、東京23区1863戸(前年同月比42.3%増)、東京都下211戸(同33.0%減)、神奈川県940戸(同14.7%減)、埼玉県294戸(同10.5%増)、千葉県118戸(同63.7%減)と東京23区が大きく伸ばし、埼玉県も2桁増だったが、その他のエリアは軒並み2桁減となり、特に千葉県は6割減と大きく落ち込んでいる。首都圏(1都3県)における東京23区の発売戸数のシェアは54.4%で前年同月の39.5%に比べ14.9Pアップした。

[同・契約率、価格]
◇発売戸数に対する契約戸数は2465戸、初月契約率は71.9%で前年同月の63.3%と比べ8.6Pアップし、2か月ぶりに好調ラインとされる70%を上回った。エリア別では東京23区(73.4%)、東京都下(55.0%)、神奈川県(80.7%)、埼玉県(62.6%)、千葉県(33.1%)―千葉県が30%台と低迷、東京都下も50%台にとどまったが、神奈川県は80%を突破、東京23区も70%を超え好調だった。1戸当たりの平均価格は6562万円で、前年同月比906万円(16.9%)の上昇。㎡単価も95.2万円で、同14.6万円(18.1%)の上昇、それぞれ2桁上昇した。戸当たり平均価格は2か月ぶり、㎡単価は4か月連続の上昇。東京23区のシェアがアップしたことに加え、高級物件の新規発売が活発に行われたことによって価格は大幅にアップ、戸当たり平均価格・㎡単価ともに1月以来の高値となった。地域別では、東京23区、東京都下、神奈川県が戸当たり平均価格・㎡単価ともに上昇したが、埼玉県と千葉県はいずれも下落している。

[同・専有面積、即日完売件数など]
◇専有面積は68.94m2で前年同月比1.8%縮小。100m2以上の住戸は東京23区6物件・49戸、神奈川県2物件・10戸で、首都圏全体では8物件・59戸、シェアは1.7%だった。期中、即日完売物件は3物件・69戸(シェア2.0%)。このほか、フラット35登録物件数は3270戸(同95.4%)。販売在庫は7月末時点で前月末(6210戸)比104戸増の6314戸で、3月以来4か月ぶりの増加。前年同月末(6498戸)比では184戸減少。

[同・8月の発売予測]
◇8月の発売は前年同月(1966戸)を上回る2500戸の見込み。

〔近畿圏・発売戸数〕
◇近畿圏(2府4県=大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県)の発売戸数は1832戸、前年同月比29.6%増で、2か月ぶりに前年実績を上回った。エリア別に見ると、大阪市部(1001戸、前年同月比67.1%増)、大阪府下(243戸、同8.0%減)、神戸市部(48戸、同82.8%減)、兵庫県下(275戸、同108.3%増)、京都市部(67戸、同10.7%減)、京都府下(16戸、14.3%増)、奈良県(4戸、91.3%減)、滋賀県(52戸、940.0%増)、和歌山県(126戸、前年同月0戸)で、大阪府下、神戸市部、京都市部、奈良県以外のエリアは前年同月を上回った。即日完売は3物件24戸でシェアは1.3%だった。

[同・契約率、価格]
◇初月契約率は前年同月比1.0Pダウンの73.6%で、7か月連続で好調ラインとされる70%を上回った。エリア別では70%を上回ったのは、大阪市部(77.3%)、大阪府下(75.3%)、京都府下(81.3%)、滋賀県(94.2%)、和歌山県(86.5%)で、神戸市部(37.5%)、兵庫県下(62.2%)、京都市部(43.3%)、奈良県(50.0%)は落ち込んだ。1戸当たりの平均価格は前年同月比11.0%(423万円)上昇の4264万円で2か月ぶりの上昇。㎡単価は同6.9%(4.4万円)上昇の67.8万円で、2か月連続の上昇。販売在庫は7月末時点2344戸で前月末(2172戸)比172戸の増加、前年同月末(2401戸)比では57戸の減少となった。

[同・8月の発売予測]
◇8月の発売は前年同月(1238戸)より少ない1200戸程度を予測。

〔URL〕
 https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/296/s201707.pdf(首都圏)
 https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/295/k201707.pdf(近畿圏)
【問合先】企画調査部03-3225-5301