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発売は首都圏24%増、近畿圏19%減、契約率、首都圏67%~不動産経済研究所、11月の新築マンション市場動向

 不動産経済研究所がまとめた11月の「首都圏・近畿圏の新築マンション市場動向」によると、首都圏(1都3県=東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の発売戸数は3366戸で、前年同月比24.6%増となり、3か月ぶりの増加となった。初月契約率は67.9%で前年同月(62.5%)を5.4Pアップしたものの、好調ラインとされる70%を4か月連続で下回った。
 11月の発売は全211物件・3366戸(前年同月181物件・2701戸)で、物件数でも前年同月を30物件上回っている。そのうち100戸以上を売り出した物件は2物件で、前年同月と同数であった。初回売り出し物件(単発物件[期分けをしないで全戸売り出した物件]を含む)が48物件・1844戸と、前年同月(35物件・1209戸)を戸数で635戸上回り、その結果として全体の発売も20%以上の増加となった。発売をエリア別にみると、東京都下と神奈川県が落ち込んだ一方、千葉県が182.5%増、東京23区も43.3%増と大きく伸ばしたほか、埼玉県も15.4%増と2桁増であった。
 これによって東京23区のシェアは47.6%(前年同月41.4%)にアップしている。発売戸数に対する契約戸数は2287戸で、初月契約率は67.9%。エリア別にみると、東京23区、神奈川県、千葉県が好調ラインとされる70%を上回ったものの、埼玉県が51.5%、東京都下も56.7%と50%台に低迷している。

【首都圏、発売戸数】
◇11月の発売戸数は3366戸で、前年同月比24.6%増と3か月ぶりの増加。発売物件数は全211物件・3366戸。エリア別にみると、東京23区1603戸(前年同月比43.3%増)、東京都下365戸(同11.8%減)、神奈川県542戸(同17.6%減)、埼玉県404戸(同15.4%増)、千葉県452戸(同182.5%増)。

[同、契約率・価格]
◇発売戸数に対する契約戸数は2287戸、初月契約率は67.9%で前年同月の62.5%と比べ5.4Pアップしたものの、70%を4か月連続で下回った。エリア別では東京23区(70.6%)、東京都下(56.7%)、神奈川県(72.0%)、埼玉県(51.5%)、千葉県(77.4%)。1戸当たりの平均価格は5551万円で、前年同月比390万円(7.6%)の上昇。㎡単価も83.5万円で、同8.6万円(11.5%)上昇し、戸当たり平均価格は5か月連続、㎡単価は8か月連続の上昇。エリア別では、東京都下と千葉県が戸当たり平均価格・㎡単価ともに下落したのに対して、東京23区、神奈川県、埼玉県はいずれも平均価格・㎡単価ともに2桁上昇している。

[同、専有面積・即日完売件数など]
◇専有面積は66.49m2で前年同月比3.5%縮小。100㎡以上の住戸は東京23区6物件・11戸、神奈川県1物件・2戸、千葉県1物件・1戸の合計8物件・14戸で、シェアは0.4%であった。期中、即日完売物件は3物件・127戸(シェア3.8%)。このほか、フラット35登録物件戸数は3057戸(同90.8%)。販売在庫は11月末時点で前月末(6122戸)比118戸増の6240戸で、2か月連続の増加。前年同月末(6324戸)比では84戸減少。

[同、12月の発売予測]
◇12月の発売は前年同月(7007戸)とほぼ横ばいの7000戸の見込み。また、今年1~11月までの累積発売戸数は2万9418戸で、前年同期(2万8765戸)と比べ、2.3%の増加となった。2017年の年間発売戸数は3.6万戸台と予測する。

【近畿圏、発売戸数】
◇近畿圏(2府4県=大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県)の発売戸数は1582戸、前年同月比19.9%減で、3か月ぶりに前年実績を下回った。エリア別にみると、大阪市部(635戸、前年同月比32.4%減)、大阪府下(408戸、同93.4%増)、神戸市部(226戸、同49.7%増)、兵庫県下(164戸、同53.0%減)、京都市部(76戸、同42.9%減)、京都府下(8戸、同61.9%減)、奈良県(2戸、同96.7%減)、滋賀県(63戸、同12.5%増)、和歌山県(0戸、前年同月54戸)―で、超高層物件(20階以上)の発売が落ち込んだ大阪市部が前年同月を大幅に下回り、実数では393戸の減少となった。

[同、契約率・価格]
◇初月契約率は前年同月比2.3Pアップの77.7%、11か月連続で好調ラインとされる70%を上回った。エリア別で70%を上回ったのは、大阪市部(91.5%)、神戸市部(77.9%)、京都市部(71.1%)、京都府下(75.0%)、奈良県(100.0%)―で、大阪市部は絶好調であり、全体の数字を引き上げた。大阪府下69.1%、兵庫県下52.4%、滋賀県66.7%であった。1戸当たりの平均価格は前年同月比5.1%(194万円)下落の3609万円で2か月連続のダウン、m2単価も同4.8%(3.0万円)下落し59.6万円で6か月ぶりのダウンとなった。販売在庫は11月末時点2350戸で前月末(2435戸)比85戸の減少、前年同月末(2560戸)比でも210戸の減少となった。

[同、12月の発売予測]
◇12月の発売は前年同月(1975戸)を下回る1400戸程度を予測。

〔URL〕
http://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/307/s201711.pdf(首都圏)
http://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/306/k201711.pdf(近畿圏)

【問合先】企画調査部03-3225-5301