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7~9月の実績、総受注戸数・金額ともにプラス
~住団連、10月度の「経営者の住宅景況感調査」

(一社)住宅生産団体連合会がまとめた平成30年10月度の「経営者の住宅景況感調査」によると、平成30年度第2四半期(平成30年7~9月期)実績の景況判断指数は、対前年同期比で、前7月度予測(総受注戸数プラス41P、総受注金額プラス45P)に対し、総受注戸数プラス25P、総受注金額プラス32Pとなり、戸数は再度プラスに転じた。金額は4四半期連続でプラスを継続した。この実績へのコメントでは、「事業全体を通し堅調に受注が続きプラスとなった」「日経平均の高値、企業の好業績の影響を受け、受注が好調傾向」「台風や大雨の影響はあったが、前年に比べ比較的堅調に推移した」「営業・商品リソース強化により需要掘り起こしが継続できた」「戸建(注文・分譲)が受注を牽引した」「戸数・金額ともに前年を下回っているが、戸建注文住宅が下支えをしている」など前向きな声が多いが、「徐々に動きが停滞気味になった」など懸念する声もある。前回(7月)調査時までは、「決め手に欠ける、市況に盛り上げ要素がない」などのコメントがあり停滞感が続いていたが、第2四半期は再度市況が動き出した。

平成30年度第3四半期(平成30年10~12月期)見通しの景況判断指数は、総受注戸数プラス38P、総受注金額プラス32Pとなっている。この見通しへのコメントでは、「戸建(注文・分譲)が受注を牽引し、駆け込みも若干寄与」「消費増税の影響で受注増の見込み」「営業・商品リソース強化により需要掘り起こしを継続」「引き続き提案力の強化施策を実施することでプラスを見込む」など前向きな声が多いが、「戸建の回復とリフォームの受注増は期待できるが、分譲と低層賃貸の受注対策が重要」「消費税を意識した動きは限定的とみており、受注環境の大きな変化は予想していない」「新築の減少は人口統計のまま表れるであろう」など懸念する声もある。戸数における「5%程度良くなる」は、全回答12社中10社を占め、前回調査時から回復基調を予測する企業が多くなった。

【戸建注文住宅の平成30年10~12月期見通し】
受注戸数プラス30P、受注金額プラス21P。コメントでは、「第2四半期に続き増加を予想」「消費税率引き上げ時期が近づいていることから、駆け込み需要の発生が期待できる」「前年並みを維持する。集客イベントや新たな住まい方の提案で受注増が見込まれる」「引き続き新商品・構造の訴求を実施し、受注につなげる」など前向きな声が多いが、「大幅な増加は見込めず、横ばいであれば上々」「受注減が継続する」など懸念する声もある。前回まで慎重であった消費増税にともなう駆け込みコメントが増加してきた。戸数において「5%程度良くなる(回復する)」との回答が全回答14社中11社を占めた。

【戸建分譲住宅の平成30年10~12月期見通し】
受注戸数プラス31P、受注金額プラス19P。コメントでは、「消費税率引き上げ時期が近づいていることから、駆け込み需要の発生が期待できる」「第3四半期も順調に推移と予想」など前向きな声もあるが、「土地の仕入れはこれまで通りだが、前年のハードルが高い」「大きな環境変化はないと考える」など懸念する声もある。

【低層賃貸住宅の平成30年10~12月期見通し】
受注戸数プラス4P、受注金額プラス・マイナス0Pと、前々回(4月)調査時からの見通しはプラスとなっている。コメントでは、「引き続き3~4階建ての受注増が期待できる。法改正等によるさらなる土地の有効活用等を展開し受注増を目指す」「引き続き提案力、ルートの強化をすることでプラスを予想」「新商品の訴求及び従前からの差別化提案の継続で受注につなげる」「空室不安や相次ぐ自然災害への懸念から、築30年以上の建替えが進むと見込む」「都市部での好調さの維持に期待」「市場は縮小傾向だが、増加と予想」など前向きな声があるが、「金融機関によるアパートローンの抑制など厳しい環境が続く見通し」「受注減が継続する」など懸念する声もある。資産活用、建替え、都市部の相続税対策など底堅いニーズへの提案力で受注を見込んでいる。コメントは前回と同様の内容であった。

【リフォームの平成30年10~12月期見通し】
受注金額がプラス46P。コメントでは、「大型物件の割合が増しており、順調に推移する」「引き続き単価の高い工事の受注を目指す」「塗装・新外壁・バスなど基本商材の販売強化を継続」「引き続きLDK改装を中心に注力し、プラスを目指す」「消費増税の影響で受注増の見込み」「復興需要のずれ込みを見込む」「前年超えを予想」など前向きな声が多いが、「非住宅系リフォームの伸びは見込めるが、大幅な伸びは見込めない」など懸念する声もある。前々回調査時の回答では「変わらず」が10社、「5~10%良くなる」が4社であったが、前回の回答では、それぞれ、5社、8社と逆転し、今回は0社、11社となり期待値は高まっている。

【平成30年度の新設住宅着工戸数の予測(回答14社の予測平均値)】
総戸数94.1万戸(7月度予測94.5万戸)。[利用関係別の内訳]◇持家=28.4万戸(7月度予測28.8万戸)◇分譲住宅=25.4万戸(同25.1万戸)◇賃貸住宅=39.7万戸(同40.0万戸)◇給与住宅=0.6万戸(同0.6万戸)。持家の予測は、7月度予測の28.8万戸から0.4万戸減の28.4万戸となり、賃貸住宅は、平成27年度以来の40万戸割れ予測で39.7万戸としている。分譲住宅は、0.3万戸増の25.4万戸とした。

〔URL〕https://www.judanren.or.jp/proposal-activity/chosa/pdf/report01_h30-04.pdf
【問合先】広報部03―5275―7251