本事業は福岡県内に分譲マンションを展開する当社の新オフィスとグループ会社が運営するホテルの複合施設である。
計画地は「博多」駅と天神の中間に位置する住吉地区で、近隣には住吉神社や大型商業施設があり、歴史と自然、人の賑わいとが共存する中に位置している。
本計画では、住吉神社の歴史や豊かな緑と調和しながらも存在感のある、周辺地域をより活性化させる施設づくりを目指した。
低層部の軒庇や縦格子による陰影、縦ラインを強調した高層部の壁面デザイン等による日本の凛とした佇まいと、ダイナミックな壁面緑化や四季折々の植栽を配置した庭園等、周囲に潤いを与える特徴的な緑化との一体化を図った。
福岡市の取組みである「一人一花運動」へ参画する企業として、歩道の花壇にも花と緑を植え管理することとしビルの周囲の緑化を図った。

ホテルは、近隣ホテルとの差別化を図るため、「和のしつらえ」と英国の歴史ある重厚感を融合させた、新しい「Traditional」（トラディショナル）な空間としている。
２２㎡のタイプを基本として落ち着いた雰囲気の中でゆったりと寛ぐことができる。客室内には、室内での食事やビジネス等にも対応したオリジナルの家具を設け、宿泊客の利用スタイルに合わせて快適に過ごせる工夫を行っている。
エントランスロビーとレストランは、一つなぎの空間として、広がりと開放感のある空間としている。
レストランからはガラス一面に広がる庭園の眺めを愉しむことができ、壁面デザインに縞模様を取り入れる等、ダイナミックな空間の中にラグジュアリー感も演出している。
１００種類以上の福岡の植物を植え、イギリス庭園の特徴である美しい花と色合いと日本の良さである季節感を融合し、一年中楽しめる庭を演出している。
また、緑に囲まれたカスケードにより水の流れと音で動きをつけ、欧風の鉢とオブジェ、レンガ道等により欧風らしさを創出している。

福岡都心部の東西を結んでいる住吉通り沿いに、本物件は位置しており１２階建の建物として存在感を発揮しつつも、周辺に配慮した外観デザインと配色。
さらに、壁面と屋上の緑化や庭園で多くの植栽を取り入れたことで街の景観に馴染んでいる。
また、オブジェや絵画を設置し芸術作品を取り入れた癒しの空間づくりができている。
不動産事業として、街の価値を高める街づくりを目指しており、地域と一体となってニーズを汲み取れる場所でデベロッパーと管理のサービスが提供できるようになっている。
今後も福岡の街づくりに貢献していきたい。
ホテル事業では、博多と天神の中間でありどちらにもアクセス抜群の立地を活かして、新たな福岡の観光やビジネスの拠点、そして県内のお客様にとっても魅力のあるホテルとなることを目指している。