本件は、当社の主力事業である不動産再生事業やホテル事業で培ってきた運営ノウハウ、不動産Ｍ＆Ａの経験を活かし、事業再生の側面からハード・ソフトを総合的に再生した、当社過去最大規模のコンバージョン物件となります。
従前は宿泊研修施設として運営されていましたが、築２７年と施設の老朽化が進んでおり、競合物件に比べ設備スペック面のサービス提供力が低く、料金面でのアドバンテージに頼らなければならない状況でした。一方で、長らく当施設を利用いただいているお客様も一定数おり、それらを総合的に解決する再生方法として、当該土地建物だけでなく、運営会社をもＭ＆Ａすることで、短所をリカバリーし、長所を最大限に活かすバリューアップにも挑戦いたしました。
再生コンセプトとして、本件を “ ホテルであり、セミナーハウスであり、地元にも寄与するスペース ” と位置づけ再編集を行い、エリア無二の存在として社会的ニーズを回復し、新たな歩みをスタートしております。

【ハード面】
宿泊室数の増設（７９室→１３７室）を行い各部屋にこれまでなかった水回り（UB・洗面・トイレ）を新設、収容人員増加に対応するエレベーター増設、会場規模にバリエーションを持たせた会議室設置、防音室設置、PC 研修に適したOA フロア新設、大浴場の増床、既存オープンスペースを活かした地元開放型ラウンジ、最大２００名のパーティに対応するレストランと厨房の整備等、多様な利用者ニーズにこたえられる施設計画を実現しました。
また、研修所→ホテルへのコンバージョンに伴い、事業継続や既存不備解消といった課題についても、保健所・消防署と入念な協議を行い問題解決いたしました。
【ソフト面】
１００名を超える大型研修に応えるサービスオペレーション、地元商工会議所や市役所と連携し、千葉県産野菜・加工品を積極的に取り入れた「地産地消」メニューのレストラン提供、売店での地元特産品販売等、外部と地元とハブとなる役目を果たすよう取り組んでおります。

当物件は、令和元年６月１７日～令和２年２月末日までを閉館とし、コンバージョン・バリューアップ工事を進めておりましたが、令和元年末にオープンの告知をさせていただいたところ、早速に既存の顧客から大口の研修予約をいただくことができました。
残念ながら、令和２年３月のオープンにおいては、新型コロナウイルスの蔓延により、大人数での会合自粛の流れの中、オープンを心待ちにしていただいたお客様のご期待に沿うことは叶いませんでしたが、緊急事態宣言が明けてからは、他ホテルと同様の稼働にて推移をしております。
過去にご利用された方々からも、新しくなった当館に対し、懐かしさや新たな当館へのお褒めの言葉をいただけており、ホテル従業員にとっても日々の業務への励みにつながっております。