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レジデンス文京春日

株式会社アーバネットコーポレーション

中高層分譲住宅部門 (ワンルーム事業)PDFダウンロード

35坪の用地取得からスタートし、時間をかけて隣地所有者を説得し最終的に57坪の敷地として事業を推進することができ、利益率も大幅に向上した。外観デザインは逆梁を全面に出し、上下化粧リブを設けることでリズミカルな印象を出している。また、エントランスは、壁面の下側に間接照明を配置し床にスポット照明を設け、視線を足下に誘導することにより圧迫感や窮屈さを感じさせないデザインとなっている。難易度の高い都心部の狭小異形地での成功事例として模範となる作品である。

事業コンセプト

レジデンス文京春日は、東京メトロ丸の内線「後楽園」駅より徒歩8分の敷地に建つ、総戸数35戸の投資用ワンルームマンションです。
本物件は文京区春日の春日通り(国道)と伝通院前通り(区道)の交差点に位置しています。狭小な敷地であり、敷地内での生コンクリート車及びポンプ車の配置が難しく、交差点付近の道路に工事車両を停車させながら、工事することが可能か事前に検討する必要がありました。土地購入前に調査した結果、敷地の長辺にあたる東側区道での道路使用許可は一切取得できないことが判明したため、北側の国道での道路使用許可に切り替えて工事方法を検討しました。しかしながら国道の道路使用許可を得るには、隣地マンションの前面道路を一部占領しなければならず隣地区分所有者の同意を得る必要があったため、当社にて数日かけて隣地区分所有者ほぼ全員の許可を取得することにより、問題なく着工に至っております。また、国道道路下には電柱地中化のためのカルバートが設置されており、重機搬出入の際は鉄板等で道路上部を保護するよう国道事務所から指導されていたため、仮設費用をあらかじめ高く見込んで事業予算を算出しました。
本地は狭小であることに加えて北側が尖ったいびつな形状であり、敷地の奥行きも9m弱しかないため、建物のレイアウトによっては、不経済な設計になってしまう可能性がありました。よって、アウトフレームのインナーバルコニーを採用することで、塔上比を極力抑えた計画とし、経済性に配慮しました。また、敷地内には用途地域がまたがっており、北側は46m高度地区、南側は31m高度地区となっています。高さ制限に余裕のある46m高度地区にワンルームを2住戸分配置し、31m高度地区内に40㎡のファミリー住戸を設けることで、文京区内のファミリー付置戸数を効率良く配置できる計画としました。土地の特性を読み解き、その場所で最適なボリューム検討を行うことで、不利な条件が重なる敷地でも容積率消化のために工夫しております。

商品企画

奥行きのない敷地ながらも、インナーバルコニーのワイドスパンで計画することで、圧迫感がなくすっきりとした室内空間を可能にしました。特に25㎡の1DK住戸では、バルコニーが住戸内に食い込む不整形な形状の中、ダイニングと洋室が整形となるようにプランニングにおいて工夫しております。対面式キッチンからは窓の向こうの景色を望むことができるようにし、上階では、敷地が高台にあるため、視界を遮ることなく、遠くの景色を見渡すことができるようになっております。エントランスは、壁面の下側に間接照明を配置し床にスポット照明を設けることで、来訪者の視線を足元に誘導し、圧迫感や窮屈さを感じさせないようなデザインを目指しております。足元に誘導させておくことで、アイストップに設置した目線の高さの彫刻を、より目立たせることを可能にしております。また、エントランスは、昼間は落ち着いた表情を見せ、夜は照明や彫刻がくっきりと浮かびあがる照明計画とすることで、昼と夜、外出時と帰宅時で異なる表情を見せてくれます。本来であれば、屋外廊下とする片廊下を、内廊下とすることで、近隣と見合いになるトラブルを回避しております。周辺の環境や気候に左右されない内廊下は、全体的に照度を下げ、木目調のクロスや金属調塗装仕上げで表情を出し、ホテルのような高級感を演出しております。大通りの交差点前の角地に位置しているため、屋外階段にも化粧壁を設けることで、ファサード面を大きくし、視認性を高めております。また、逆梁を前面に出し、上下化粧リブを設けることでリズミカルな印象を出しました。敷地の大きさに対して、比較的存在感のある外観デザインとしました。

事業成果

本物件は、当初伝通院通り交差点角の35坪の取得からスタートしました。土地が狭小であるがゆえ単体での事業は困難でした。ただ、文京春日の地であり、交差点に面した視認性が高くシンボリックな立地であることから、何とか事業用地とすることができないかと考えた末、南側隣地の所有者を説得する交渉を開始いたしました。生家であり思い入れが強いことから簡単に聞き入れてくださる状況ではございませんでしたが、交渉開始から売却提案や等価交換提案、この先10年後のライフプランの提案など様々な交渉を行い、気持ちの整理がつくまで5か月ほどの時間を要しましたが、何とか成約するに至りました。敷地全体で57坪ほどの土地であり、かつ敷地が整形でないことから、計画プランは限定的でありましたが、その中でもいかに居室空間を有効に配置することができるか、どのようなエレベーションやデザインを施せばシンボリックな作品となるのか再三再四検討を重ねた結果、狭小異形地にそびえたつ建物でありながら、その存在感を誇示する作品となったと思います。

物件概要

事業主名 株式会社アーバネットコーポレーション
現場住所 東京都文京区春日2-24-18
企画設計 株式会社柳学アーキテクツ
施工者名 株式会社合田工務店東京本店
工事竣工 令和4年11月8日

規模概要

敷地面積 190.80㎡
延床面積 1,468.96㎡
住戸面積 25.84~41.19㎡
構造規模 RC造地上14階建
住戸総数 35戸

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