ホテルグランビュー石垣 The First
㈱富士開発
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離島におけるホテル建替事業。石垣島では人手不足が顕著であり、建替え後の新規(再)雇用が難しいことから、別館を先に建設し、従業員の雇用を確保した後、本件の建替えを行った。名古屋工業大学の伊藤准教授にデザイン設計を依頼、八重山諸島の大自然や独特の風土・文化をモチーフにフロアごとに異なる3つのスタイルを計画した。離島ターミナル港に近く、島内で最も人が集まる交差点に立地するため、観光の起点のみならず、周辺商店街の活性化の核として期待されている。また、旧ホテル時代から「津波一時避難ビル」に指定され、災害時の拠点としての使命も担っている。
画像ギャラリー
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外観
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カフェ&バー
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レストラン きらめき
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別館ホテルグランビュー石垣荒川外観
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エントランス
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フロント
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レストラン きらめき
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レストラン天井みんさー柄
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大浴場
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ミストサウナ(大浴場)
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ユニバーサルルーム28.10㎡
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トリプルルーム37.72㎡
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ツインルーム22.01 ~ 37.72㎡
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トリプルルーム37.72㎡
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シングルルーム16.70㎡
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トリプルルーム37.72㎡
事業コンセプト
本件事業は、離島におけるホテル建替え案件です。立地は石垣市の繁華街の一角、730 記念碑交差点角に位置します。取得から5年後、老朽化による配管や設備等の大規模修繕計画を検討していましたが、旧ホテルの階高不足、構造躯体の一部解体が不可なことから建て替えることを決断しました。
石垣島では全業種人手不足の中、建替え後の新規(再)雇用等が難しいことから、運営している 100%子会社の従業員を2年間沖縄本島ホテルへ転勤させることを検討しましたが、離島困難であったことから別館を建設した後に建替えすることにしました。
同地域に同形態では供給過剰になると判断し、ターゲット客層を別館は若者中心の中低所得層、本件ホテルを高所得層として平成 29 年から別館用地探しを開始しました。
平成 30 年に本件立地から約2km 離れた竹富島、西表島が一望できるダイバー船の拠点である石垣市新川の土地購入。令和元年5月着工、令和2年 11 月に別館ホテルグランビュー石垣新川を完成オープン。
令和3年1月から旧ホテル解体開始。解体業者選定に当たり、大規模解体業者が島内におらず、那覇から重機含めて船で呼び寄せました。解体費 : 1億 2,100 万円(消費税込み)、令和4年1月に本件ホテルを着工し、令和5年7月に完成オープンしました。
商品企画
石垣島の建築特性として、輸送費や職人派遣代等が高くなるため、工法と資材・器具等は限定されており、さらに猛烈な台風とその後の塩害対策の必要性があります。限定された資材・器具等の組合せ等によるデザイン力が必要と判断し、名古屋工業大学の伊藤准教授(有限会社タイプ・エービー)にデザイン設計を依頼しました。客室は約 16㎡のシングル 16 室、約 27㎡ツイン 64 室、約 37㎡トリプル 12 室、35㎡ジュニアスイート4室、約 28㎡車椅子対応ツイン1室と約 22㎡添人用ツインです。
八重山諸島の大自然や独特の風土・文化をモチーフとした空間づくりを目指して、フロアごとに異なる3つのスタイルを計画。1つ目はマングローブやサトウキビ畑等の緑豊かな自然、2つ目は琉球赤瓦やデイゴ、祭事といった華やかな八重山諸島の文化、3つ目は透き通った紺碧の海と抜けるような青空を表現しました。琉球石灰岩やみんさー織をイメージしたエントランス・ロビーフロアには、カフェ&バーを設け落ち着きのある空間を演出しました。
ミストサウナも併設した大浴場は、ゆったりとくつろげる浴槽から坪庭に植えられた八重山諸島に生息する木々が照らし出され、幻想的な雰囲気を演出しています。
レストランは、みんさー織を模した木天井や琉球和紙をモチーフとした行燈照明を設置し、くつろげる空間を演出しています。
また、人手不足対策として、レストランには厨房から直接配膳できるオープンキッチンとし、バーラウンジもフロント横に設置することにより、フロントスタッフが兼務できるようにしました。外構計画は、八重山ヤシ、アレカヤシ、ハイビスカス等の花々、ビル風が強くなる角には防風林としてシャリンバイを配置しました。
台風対策として、1階窓に面格子、1階メイン出入口にシャッターや台風時出入口を設置しました。吸気口も最上級の防水性能製品を用い、非常用発電機等の防災対策にも配慮いたしました。
事業成果
八重山諸島への離島ターミナル港に近く、島内一、人が集まる交差点に立地するため、観光の起点のみならず、周辺商店街の活性化の核として期待されています。730 記念碑交差点のシンボル緑地は、地元からの要望で全てそのまま残しました。
また、明和の大津波の経験から様々な災害対策の一つとして、旧ホテル時代から「津波一時避難ビル」に指定され、災害時での拠点としての使命も担っています。
宿泊費は部屋やシーズンによって異なりますが、1人朝食付きで7千円から2万円程度となっており、地元での認知度・立地・設備・価格面において、かなりの優位性があります。
物件概要
事業主名 | |
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現場住所 | |
企画設計 | |
施工者名 | |
工事竣工 |
規模概要
敷地面積 | |
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延床面積 | |
構造規模 | |
住戸総数 |