本計画敷地は、戸建住宅を中心とした住宅が多く立ち並び、最寄り駅である横浜市営地下鉄ブルーライン「港南中央」駅前は買物施設や小・中学校等、生活基盤が整ったエリアです。開発総面積約 11,000㎡の敷地は、北から南にかけて約 15 ｍの高低差があり雑草が生い茂る未利用地でした。隣の「上大岡」駅は、地域の主要駅として土地価格が近年上昇し、住宅供給過多な傾向がありました。それに対して「港南中央」駅は、10年近く新築分譲マンションの供給がなかったこともあり、新たな住民を呼び込み活気を生み出すことで地域の価値を高め、象徴となるような「住まいの傑作」を目指しました。住棟は、敷地の高低差を活かし変化をつけた地盤面に東・西・南向きに５階建・５棟を配置。外観の基本カラーは、“ トープ（グレイ色）” と “ クレマ（クリーム色）” のコントラストを建築全体の共通キャラクターとし、街区を通じて存在感を表現。さらに、ボーダー・マリオン・トリムなどのパーツを従来のヴェレーナより複雑に組み合わせることで、目線の近くで建築のつくり込みが感じられる豊かな造形としました。

「住まいの傑作」はプランニングでも追求しました。専有面積 46.64 ～ 93.68㎡、１LDK ～３LDK の住戸には、弊社の強みである奥行き約 4 ｍの「オープンエアリビングバルコニー」や１階に設置した「オープンエアリビング」を始め、３ｍ・2.8 ｍ・2.5 ｍ等奥行きに変化をつけた多彩なバルコニーを各棟に採用。専有部では、メゾネットタイプやワイドリビング、コンサバトリースペース、コーナーサッシ等も採用し、専有使用部を含めた住戸全体の多様性と快適性を追求。コロナ禍を経て多様化する住まいのニーズに応えるプランづくりを行った結果、193 戸に対して 80 タイプもの異なるプランを実現し、お客様がライフスタイルに合わせて選ぶ楽しみを味わっていただけるプランニングとなりました。
さらに南西角には、地域交流の場として約 670㎡の公園を設け、その公園に接する道路を拡幅。歩車分離を図ることで、地域の安全性も高めました。

「上大岡」駅よりフラットアプローチで徒歩 10 分圏、坪単価 250 万円前後のマーケットにおいて、当プロジェクトは、「上大岡」駅より徒歩 18 分、「港南中央」駅徒歩 11 分、かつ丘上ポジションというハンディがありましたが、弊社の商品力を最大限に訴求し販売を行う計画を立てました。
物件名にはあえて「上大岡」をつけず、荘厳な宮殿の意をこめた造語「ヴェレーナシティ パレ・ド・マジェステ」とし、弊社の特徴である外観・豊富なバルコニーデザイン・共用部デザイン・80 タイプの間取りプラン等の商品企画を訴求し、競合物件との差別化をアピールしました。
コロナ禍を経て広さや住環境を重視する傾向や駐車場設置率 70％も後押しとなり、横浜市を含め、中広域より継続的な集客が図れ、販売計画を９か月前倒しして完売。広大な敷地に低層５階建、東・西・南向き５棟構成、80タイプのバリエーションの豊富さが、評価をいただけた結果となりました。